
お嬢様や、ご子息様のご結婚を案じられて、ご両親様が相談所にお問い合わせをなさるケースは、今の時代でも決して珍しいことではありません。お父様やお母様が糸口を作ってくださり、その後、最初は他人事のように思っておられたお嬢様やご子息様が、次第にやる気を出され、理想の方とゴールインして行かれたことは、数え切れないくらいあります。
そういった場合とは逆のケースで、数多くはありませんが、時々、結婚しているお嬢様が、逆に、お母様のことを案じてお問い合わせを頂くケースもあります。ときには、まだお嬢様が未婚の場合すらあったりします。
2年ほど前に、お嬢様は関東圏に結婚して住んでおられて、地方にお住まいのお母様のことを案じられて、お話を聞きにきてくださり、その後ご上京したお母様と面接の上、お母様にご入会して頂いたことがありました。
将来は、お嬢様の近くに住みたいので・・、というのがお母様の願いであったことから、お相手も関東圏の方を中心にお見合いを幾度かされました。お相手の男性は、とても気に入ってくださったケースもありましたが、地方の資産家でらっしゃったことも、いざ、本当に結婚を決めるという段階になられると、躊躇してしまわれる要因であったのかもしれません。
一年ほど活動されたあと、少し体調を崩されて、今は、時々、ご健康のご様子をお聞きする程度のお休み状態となっておられます。体力と気力は密接に結びついている訳ですから、本当に、健康が回復なさったら、また良いご縁をご紹介させて頂きたいと思っています。
こうして書いていますと、最後にお見合いが決まった男性の方は、新幹線で、東京から5時間の道のりを「お見合いに行きます!」と言ってくださっていたことを思い出しました。 その時は、お母様と私と二人して、本当に感激させて頂いたものでした。体調が思わしくなく、已む無くお見合いをキャンセルさせて頂いたときの残念な気持ちを今も覚えています。
関東圏にお住まいのお嬢様は、お母様がご活動中も、時々、お菓子などを送ってきてくださり、お母様がご活動をお休みされてからも、お気使いをしてくださる方でした。
当然のことながら、結婚相談所はお世話に対する対価をきちんと頂いている訳ですから、 本来はそのような贈り物は受け取らせて頂く筋合いもありませんし、また、会員の方も、お送り頂く必要は全くありません。
でも、お嬢様の贈り物には、お礼を申し上げて、何とはなしにそのまま受け取らせて頂いている月日が過ぎて行きました。そうして、同じように、昨年の12月に、小さな正方形(長方形だったかもしれません ♪)の箱が送られてきました。包みを解きますと、丁度その年の9月にオープンして、とても話題になっていた、ザペニンシュラ東京のチョコレートの素敵な箱が現れました。
正直、胸にくるものがありました。偶然に、ペニンシュラホテルに行かれたのかもしれません。でも、そこで、そのホテルのチョコレートを買って送ろうと思ってくださったお嬢様の気持ちがそっと心に染みました。
遠く離れたところにおられる、体調がまだ万全ではないお母様、都会で、ご主人とお子様と幸せに暮らしているお嬢様、でも、肉親の愛情はいつも途切れることなく、距離や時間を越えて、つながっているのだということを、小さなチョコレートの箱が教えてくれた冬の日の一日でした。