
戦いには敵を知ることも大事だけれども、まずその前に己を知ることが大切と、松下幸之助も言っています。つまり、 「敵を知らなければ、勝負は定まらないとしても、己を知らなかったら、戦いには必ず敗れる。連戦連敗、その敗因はわが身にありである」と。
戦いのときでなくても、おそらく、自分自身を知ることはとても困難な面があるという気がします。
でも、「自分自身」ではなく、「自分自身の精神状態」は、それほど深く考えなくても、つかむことができるような気がします。
私の場合の卑近な例ですと、例えば、郵便受けに届いた手紙を、たとえDMであっても、丁寧にはがして封を開けたり、ハサミできちんと封を切ったりしているときは、精神状態が比較的落ち着いているときです。そうでなくて、指でビリビリと封を破ったり、力まかせに強く封をはがしたりしてしまうときは、何となく、心に余裕がないときが多いです。その結果、大事な中の書類の一部も破れてしまい、余計にイライラした気持ちが募ってしまう、などということになってしまいます。泣き面にハチ、という具合です。
あと、外出しているときも、駅などの混雑した場所では、やたらと人にぶつかりそうになったり、昇りのエスカレーターから、次々と現れてくる人の波に、ことごとく、こちらの動線がぶつかってしまいます。また、進もうとする方向に、今まで並んで歩いていた横の人が、突然、進行方向を変えて、目の前を急に歩きだす、などという具合です。
ゴキゲンなときは、そんなことは全くなく、どんな混雑した状況でも、本当にすいすいと 人ごみをかわしてどんどんと前に進むことができ、自分自身が「乗ってる」という感覚が身体の内にもあるのを感じます。
つまり・・・、やはり心の状態というのは、身体や行動や動作と密接に結びついているのだと思います。ですから、自分自身の動作や所作を自覚することにより、自分の精神状態をはかり、修正するということができるのだと思います。そして、自分自身の心を見つめるこということも・・。
同じように、交際中のお相手の何気ない動作や態度にも、お相手の本当の心の状態が見え隠れしているのだと思います。繊細過ぎる感受性は、ときに、二人の間を息苦しくさせてしまいますが、でも、些細な事柄にも、相手の気持ちを感じ取る優れたセンサーを、やはり、身体の内に持っていて頂きたいと思いますし、もしもそれがまだ磨かれていないのなら、それを磨いて行って頂きたいと心から思っています。それは、単に、交際を上手く行かせるということだけではなく、自分自身が豊かになってゆく、ということにつながって行くと思います。素晴らしい本、美術、音楽、映画、演劇などに触れることは、古典的ではありますが、くめども尽きせぬ魅力を私たちに与えてくれ、本当に、心を豊かにしてくれる、この世界の宝物だと思います。会員のみなさん、身体が埋もれてしまうほどに、時には、心が埋もれてしまうほどに(?)沢山、本を読みましょう!